政治の修羅場(鈴木宗男)
私は最近、読書で小説を読まないように意識しています。
そして、ジャンルとか文体に関してはわりと無節操です。
幅広く読書したいと意識しているからです。
時々、妹から「姉!こんな文体の汚い、ヘンな本を紹介するんじゃない!」
と、怒られることもあります。
そんな書籍に当たってしまった方、いらっしゃいましたらゴメンナサイ。
今日ご紹介するのも、そんな1冊。
鈴木宗男さんの「政治の修羅場」
鈴木宗男(すずき・むねお)さんは、元内閣官房副長官・元衆議院外務委員長。
現在、新党大地・真民主の代表です。
なぜ、この本に興味を持ったかというと。
先日、Febe! のオーディオブックで、佐藤優(さとう・まさる)さんの
「読書の技法」を買って、ただ今読んで(聴いて)いるところだったからです。
速読の方法を身につける一助になるかなあ、という淡い期待を持って
読んだのですが。この種の本というのは、だいたいにおいてその期待が裏切られる。
佐藤優さんも、同志社大学時代にモーレツに神学(つまり、キリスト教)を
勉強していらっしゃって。王道路線・手抜きナシの読書をしていらっしゃいます。
「読書の技法」の出だしが「『外務省のラスプーチン』と、呼ばれて」だった。
私、この事件を忘れていたのですが。佐藤優さんは2年近く服役しています。
そして、11月23日(勤労感謝の日の金曜日)にTVを見ていたら、
鈴木宗男さんがTVに出ていて。
「娘さんは今回の選挙に出馬されるのですか?」と記者からきかれたときに、
「本件は松山千春さんにおまかせしておりますから」と、答えながら、
ほほに涙が一筋「つ〜っ」と、つたってるのを見たのです。
本人が出馬できないのに党首って、異例です。言うまでもなく。
興味を持ったのでした。
鈴木宗男さんは、ただ今、公民権が停止中。
ロシアの地に絡む、あっせん収賄の罪で刑務所にいて、
2011年12月に釈放されたばかり。
被選挙権の停止は刑期終了から5年です。一般的な感覚からいうと、長いですよね。
(追記:現在は被選挙権の停止は10年となっています。当初間違えました。
鈴木宗男氏の事件の時期だと5年が適用されるのだそうです。
・・・誰か、私の間違いにツッコミを入れて欲しかった。)
そんな時、本屋に行ったら、目の高さの位置にこの新書が並んでて、読んじゃった。
秘書を努めていた議員の中川一郎氏が首つり自殺をしてしまう、という事件が
凄惨です。年始に葬儀、その年のうちに衆議院議員選挙に出馬。
35歳という若さで当選。
この「政治の修羅場」のオビに「とてつもない人々」と、ありますが。
「トンでもない人々」ではないことにご注目。
歴代の鈴木宗男さんが関係した大物議員の方々については、大体において
感謝や賞賛の言葉が続いています。
一方で、いわゆる「実弾(じつだん・おカネ)」に関する描写が赤裸々です。
「もう時効だと思うが」と、判断しつつ明かされる内容が興味深い。
実弾の大きさと使い方で政治家の器の大きさがわかる、という論理。
(田中)角栄先生の実弾は、福田先生の2倍だったんだそうな。なるほどね。
金権政治という批判もあることはむろん承知で、でも書いている。
底辺にあるのは、筋が通った骨太の人格主義。
そういう率直で暖かい人柄が、愛されるのでしょうね。
特に、北海道では絶大な人気なんだろうなあ、と推察しました。
今回の選挙を読み解きたいという方。一つのキッカケになるかもしれません。
個人的には一つの視点・切り口を知ったことで、とてもためになった本でした。
=ジャスミン=
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コメント
ジャスミンさん、こんにちは。
ジャスミンさんが紹介されている本はいつもチェックしています。
勉強しなきゃいけないのに、息抜きのはずの読書にはまってしまっています。
自分もあまりジャンルを気にせず読んで(読むようにして)いますよ~。
いろんな意味で、今年一番のヒットは森博嗣さんの「常識にとらわれない100の講義」です。
はじめてこの方の本を手にしたのですが、最初はなに?このひと??って感じで・・・
でも読み進めるうちにすっかり森ワールドにはまっていました(笑)
機会がありましたら、ぜひ手にとってみてくださいね!
投稿: るぅ | 2012年11月27日 (火) 09時38分
るぅさん、ありがとうございます。
森博嗣さん、実は私は存じませんが、著書を本屋に行く際に意識しますね。
投稿: Jasmine | 2012年11月27日 (火) 15時22分
「バランス感覚を養うこと」において、ジャスミンさんの選択は極めて正しいと思いますヨ。
ちなみに僕の場合、ノンフィクションと純文学しか読みません(キッパリ)。
徹底したリアリズムと、ギリギリの想像力に身を委ねて、自らの行動の糧にする・・・、
そうすればハウツー本や安直な成功本に騙されないですむからです。
まぁ、人それぞれですが(笑)
投稿: カズリン | 2012年11月30日 (金) 21時00分
カズリンさん、コメントありがとうございます。
返信が遅れまして申し訳ございません。
ノンフィクションと純文学って、硬派な組み合わせですね。素敵。
投稿: Jasmine | 2012年12月 2日 (日) 13時11分