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2012年11月26日 (月)

政治の修羅場(鈴木宗男)

私は最近、読書で小説を読まないように意識しています。

そして、ジャンルとか文体に関してはわりと無節操です。

幅広く読書したいと意識しているからです。

時々、妹から「姉!こんな文体の汚い、ヘンな本を紹介するんじゃない!」

と、怒られることもあります。

そんな書籍に当たってしまった方、いらっしゃいましたらゴメンナサイ。

今日ご紹介するのも、そんな1冊。

鈴木宗男さんの「政治の修羅場」

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鈴木宗男(すずき・むねお)さんは、元内閣官房副長官・元衆議院外務委員長。

現在、新党大地・真民主の代表です。

なぜ、この本に興味を持ったかというと。

先日、Febe! のオーディオブックで、佐藤優(さとう・まさる)さんの

「読書の技法」を買って、ただ今読んで(聴いて)いるところだったからです。

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速読の方法を身につける一助になるかなあ、という淡い期待を持って

読んだのですが。この種の本というのは、だいたいにおいてその期待が裏切られる。

佐藤優さんも、同志社大学時代にモーレツに神学(つまり、キリスト教)を

勉強していらっしゃって。王道路線・手抜きナシの読書をしていらっしゃいます。

「読書の技法」の出だしが「『外務省のラスプーチン』と、呼ばれて」だった。


私、この事件を忘れていたのですが。佐藤優さんは2年近く服役しています。

そして、11月23日(勤労感謝の日の金曜日)にTVを見ていたら、

鈴木宗男さんがTVに出ていて。

「娘さんは今回の選挙に出馬されるのですか?」と記者からきかれたときに、

「本件は松山千春さんにおまかせしておりますから」と、答えながら、

ほほに涙が一筋「つ〜っ」と、つたってるのを見たのです。

本人が出馬できないのに党首って、異例です。言うまでもなく。

興味を持ったのでした。


鈴木宗男さんは、ただ今、公民権が停止中。

ロシアの地に絡む、あっせん収賄の罪で刑務所にいて、

2011年12月に釈放されたばかり。

被選挙権の停止は刑期終了から5年です。一般的な感覚からいうと、長いですよね。

(追記:現在は被選挙権の停止は10年となっています。当初間違えました。

鈴木宗男氏の事件の時期だと5年が適用されるのだそうです。

・・・誰か、私の間違いにツッコミを入れて欲しかった。)


そんな時、本屋に行ったら、目の高さの位置にこの新書が並んでて、読んじゃった。

秘書を努めていた議員の中川一郎氏が首つり自殺をしてしまう、という事件が

凄惨です。年始に葬儀、その年のうちに衆議院議員選挙に出馬。

35歳という若さで当選。


この「政治の修羅場」のオビに「とてつもない人々」と、ありますが。

「トンでもない人々」ではないことにご注目。

歴代の鈴木宗男さんが関係した大物議員の方々については、大体において

感謝や賞賛の言葉が続いています。


一方で、いわゆる「実弾(じつだん・おカネ)」に関する描写が赤裸々です。

「もう時効だと思うが」と、判断しつつ明かされる内容が興味深い。

実弾の大きさと使い方で政治家の器の大きさがわかる、という論理。

(田中)角栄先生の実弾は、福田先生の2倍だったんだそうな。なるほどね。

金権政治という批判もあることはむろん承知で、でも書いている。


底辺にあるのは、筋が通った骨太の人格主義。

そういう率直で暖かい人柄が、愛されるのでしょうね。

特に、北海道では絶大な人気なんだろうなあ、と推察しました。

今回の選挙を読み解きたいという方。一つのキッカケになるかもしれません。

個人的には一つの視点・切り口を知ったことで、とてもためになった本でした。

=ジャスミン=

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コメント

ジャスミンさん、こんにちは。

ジャスミンさんが紹介されている本はいつもチェックしています。
勉強しなきゃいけないのに、息抜きのはずの読書にはまってしまっています。

自分もあまりジャンルを気にせず読んで(読むようにして)いますよ~。
いろんな意味で、今年一番のヒットは森博嗣さんの「常識にとらわれない100の講義」です。
はじめてこの方の本を手にしたのですが、最初はなに?このひと??って感じで・・・
でも読み進めるうちにすっかり森ワールドにはまっていました(笑)
機会がありましたら、ぜひ手にとってみてくださいね!

投稿: るぅ | 2012年11月27日 (火) 09時38分

るぅさん、ありがとうございます。
森博嗣さん、実は私は存じませんが、著書を本屋に行く際に意識しますね。

投稿: Jasmine | 2012年11月27日 (火) 15時22分

「バランス感覚を養うこと」において、ジャスミンさんの選択は極めて正しいと思いますヨ。
ちなみに僕の場合、ノンフィクションと純文学しか読みません(キッパリ)。
徹底したリアリズムと、ギリギリの想像力に身を委ねて、自らの行動の糧にする・・・、
そうすればハウツー本や安直な成功本に騙されないですむからです。
まぁ、人それぞれですが(笑)

投稿: カズリン | 2012年11月30日 (金) 21時00分

カズリンさん、コメントありがとうございます。
返信が遅れまして申し訳ございません。

ノンフィクションと純文学って、硬派な組み合わせですね。素敵。

投稿: Jasmine | 2012年12月 2日 (日) 13時11分

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